創作工房

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近未来の日本。

主だった諸外国と交流を深め、国際的となった日本では、

それに伴って、麻薬や持ち込み禁止の銃火器類の密輸入から、

日本国内で凶悪犯罪が多発していた。

 

これに対処するべく特殊部隊が設立され日夜、

凶悪犯罪との激しい戦いが繰り広げられた。

 

ある日、特殊部隊がとある武装強盗団のアジトを強襲。

これにより強盗団を壊滅に至るも、その場で1人の少女を保護した。

少女は記憶が無く、何故強盗団のアジトにいたのかは勿論、

少女自身、自分が何者なのかも分からなかった。

 

扱いに困った特殊部隊の面々だったが、

彼らをまとめる本部長の指示で少女は特殊部隊の元で保護することとなった。

 

彼らはその仕事柄、恨みを買うことが多く、

不意の襲撃を受けない為にも専用の装甲トレーラーを詰所とし、

事件が起きるとこのトレーラーごと現場へ駆け付けた。

 

結果、少女も事件が起きる度に彼らと共に事件現場へと向かい、

時には銃弾飛び交う最前線に1人、トレーラーでお留守番と言うこともあった。

 

初めは何も分からず、内向気味だった少女も、

特殊部隊の面々と触れ合うことで少しずつ心を開き始める。

 

また特殊部隊の面々も少女が癒しとなった。

 

そして、少女は次第に記憶を取り戻し、

過去からタイムスリップして来たことが判明する。

 

しかし、何故この時代に来たのか。

また少女を元の時代に返す方法は無く、

少女自身、元の時代に帰る意志も無かった。

 

そんなある日、とあるテロリストが発電所を占拠する事件が発生。

特殊部隊の彼らはすぐに急行し、迅速にテロリストを殲滅する。

しかし、テロリストによって発電機構が暴走。

このままでは爆発し、特殊部隊は勿論、

周囲の街々を巻き込んで、多数の死者が出てしまう。

 

その時、暴走した発電機構から漏れたエネルギーが空間を裂き、

少女がやって来た過去と繋がった。

 

特殊部隊の彼らは少女を過去に戻る様に伝える。

 

しかし、これを少女は拒否。

 

実は少女自身、元の世界で生きる目的を見失い、

ある日、自ら命を捨てる決断をした。

 

しかし、偶然にも近くで行われていた、

新しい発電機構の実験で生じた時空の亀裂が発生。

少女はそれに呑み込まれ、未来へとタイムスリップしていた。

 

元の時代に戻っても生きる理由と言う少女は、

特殊部隊の彼らと共に死ぬことを望んだ。

 

だが、そんな少女に彼らは望みを託した。

 

どうしても死ぬしかない状況。

それを少女が過去に戻り、未来を変えて欲しい、と。

 

彼らのその願いを少女を聞き、意を決して過去へ戻った。

 

元の時代に戻った少女はいずれ起きる事件に備え、

そして、未来で死ぬ運命が定められた特殊部隊の彼らを救う為、必死に毎日を生きた。

 

一方、少女が過去へ戻った未来では、

特殊部隊の面々が爆発間近の発電所内でその時を待っていた。

 

自らが死ぬ運命が変わらないなら仕方ない、と。

そう思い、受け止めた時。

 

彼らをまとめる本部長が現れる。

本部長は焦る様子も無く、発電機構の暴走を止め、特殊部隊の彼らを救った。

 

そう、彼らをまとめる本部長こそ、

過去に戻り、未来を変える為に努力した少女自身だった。

 

こうして死ぬ運命から助けられた彼らは、

成長した少女と共にその後も凶悪犯罪と戦い続けた。